点々と連なる水滴の不思議

富士松中 3年  

1 研究の動機
 ある日,夕食の煮物を作っていたとき,私は今まで気にもしなかったことにふと心が奪われました。それは,鍋のふたの裏に水滴がびっしりついていたのです。しかもその水滴は規則正しく点々ときれいな粒となっていたのです。次の日学校に行く途中,友達のMさんにそのことを話しました。するとMさんは,「そう言われると水滴っていろいろなところについているよね」と言いました。私たちは様々な物につく水滴なんて,これまで気にもとめてきませんでした。しかし,不思議なことがいっぱいありそうです。そこで,仲良し6人組で研究を始めることにしました。

2 研究を始める前に
〈面につく水滴〉雨降りの時の傘の表面や雨が窓ガラスについた跡も水滴が点々としています。また,ふたをしたペットボトルの内側にも水滴が点々とつきます。
〈線状のものにつく水滴〉釣りをしているときの釣り糸や,防球ネット,小枝,物干し竿など太さには関係なく様々な線状のものに水滴が点々とつくことが分かりました。

3 研究の目的
『様々な物体につく水滴の様子は条件を変えたときにどのようになっているのか』 実験・観察を通して科学的に解明する。

4 研究の内容
 追究1 『平面につく水滴』について調べる
〈実験@〉蒸気の当て方を変える
蒸気の当て方を変えると「水滴ができて成長して落下する」という一連の変化が速く繰り返されることが分かりました。
〈実験A〉表面の材質や汚れを変える
実験の結果,ラップと塩化ビニル樹脂については実験@と同じように小さい水滴がだんだん成長して大きくなっていく様子が観察できました。しかし,ガラスの場合は合体してもきれいな球形にならず,いびつな形になってしまい測定できませんでした。
 サラダ油の場合,サラダ油が水滴の周りを取り囲んで水滴を落下しにくくしていたのです。その結果,ラップだけの場合と比べてかなり水滴は大きくなりました。
逆にロウの場合は,粒の大きさも間隔も揃っておりこれまで観察した中で一番美しい状態でした。
小麦粉を付けた場合は水滴が大きくなっても,隣の水滴と合体しませんでした。

追究1のまとめ
・蒸気の当て方を急激にすると,水滴のできる速さが速くなる。
・大きい粒の周りには粒がなくなり,粒と粒の間隔が開く。
・ガラスの場合,水滴は「球形」にならず「いびつな形」になる。
・サラダ油を塗った場合,油が水滴を取り囲み水滴が大きく成長する。
・ロウを塗った場合,水滴はあまり大きくならず,水滴の大きさも間隔も揃ったものになる。
・小麦粉を付けた場合,小麦粉が表面を取り囲み水滴同士が合体しないため粒が大きくなる。

追究2『線状の物につく水滴』について調べる
追究2‐@ 水平にした場合について調べる
〈実験@〉線状の物の材質を変える
水がしみ込まない線状の物なら,どの場合も点々と水滴がつくことが分かりました。
〈実験A〉線状の物の太さを変える
釣り糸の太さが太いほど水滴の大きさは大きくなり,数は少なくなることが分かりました。
〈実験B〉水の温度を変える
水温が低いほど水滴は大きくなり,数は少なくなることが分かりました。
〈実験C〉付ける液体の種類を変える
メタノール→石鹸水→水→グリセリンの順で液滴が大きくなり,付く数が少なくなることが分かりました。
 追究のまとめをしようとしていた私たちは実験途中で見つけた不思議な現象を思い出しました。それは線状の物に付く水滴は2種類あったのです。
 一つは液体を付けた後すぐ見られるものです。私たちはこの液滴の様子が涙に似ていることから「涙粒」と名付けました。
また,もう一つは「涙粒」が落下した後に見られる液滴です。形がニキビに似ていることから,私たちはこれを「ニキビ粒」と名付けました。

追究2-@のまとめ
・釣り糸の太さが太いほど水滴の大きさは大きくなり,数は少なくなる
・ 水温が低いほど水滴は大きくなり,数は少なくなる

*追究2-A* 角度をつけて液体を垂らした場合について調べる
〈実験@〉傾斜角度を変える
 角度が大きくなるほど水滴は流れやすくなり「涙粒」ができにくくなりました。特に,垂直の場合「涙粒」は全くできず,すべて「ニキビ粒」になってしまいました。
〈実験A〉線状の物の太さを変える
釣り糸が太くなるほど「涙粒」ができやすくなることが分かりました。
〈実験B〉水の温度を変える
氷水の場合,時として孤立した球形の水滴が付くことがあります。私たちはこの粒を第3の粒と考え「孤立粒」と名付けました。
〈実験C〉垂らす液体の種類を変える・
メタノールの場合   メタノールの場合,液体がすべて流れてしまい,「涙粒」も「ニキビ粒」も全くできませんでした。
石鹸水の場合  まるでナメクジが釣り糸の上を這うように振動しながら流れていくのです。この奇妙な現象を私たちは「ナメクジ現象」と名付けました。
グリセリンの場合  何とグリセリンが流れた後にできる「ニキビ粒」は下から順番にはい上がるようにできるのです。この現象を私たちは「はい上がり現象」と名付げました。

追究2-Aのまとめ
・氷水の場合,時として孤立した球形の水滴「孤立粒」が付く
・メタノールの場合「涙粒」も「ニキビ粒」もできない


私たちは,これまでの追究で「新たな疑問」が生まれてしまったことに気づきました。

@「涙粒」「ニキビ粒」「孤立粒」ができるメカニズムはどうなっているのか?
A「ナメクジ現象」「はい上がり現象」はなぜ起こるのか?

私たちはこの二つの疑問について新たな研究を進めました。その結果は紙面の都合上,ここでは紹介できません。「刈谷市児童生徒理科研究発表会」での発表にさせていただきます。



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